DIY大好きな私が「プロに任せるアクセントクロス専門店」をオープンするまで

株式会社SHINUPS 代表の山内です。
私は20歳から現在に至るまでの28年間に渡り建築業界で働いております。建設会社、住宅販売会社、リフォーム会社。独立するまでに3つの会社に勤めました。どの会社でもお部屋の内装工事でクロス(壁紙)の工事があり、どんな壁紙を使うか、色や柄、肌触り等で選ぶ作業があります。

クロスを選ぶのは誰?

クロス決めでは施工業者や設計事務所がクロスのカタログを用意し、お施主様(お客様)と打合せを行います。私が注文住宅の営業だったとき、このクロス決めは営業担当の仕事でした。また現場管理(施工管理)の担当が行う時もありました。
日本国内の有名クロスメーカーは大まかに6社あります。サンゲツ、東リ、リリカラ、シンコール、トキワ、ルノン。この6社のカタログは共通のサイズや形に決められています。種類は①ベーシックな色の量産クロス ②色柄が豊富な1000番クロス ③その他各メーカーオリジナル といった構成になっており、価格帯もそれぞれ共通です。一番種類の多い1000番クロスは各社競って個性的な色柄を展開しており、カタログを見ているだけでも楽しくなります。

1000番クロスのカタログは各メーカー1~3種類あり、1冊あたりの掲載量はおおよそ1,000柄あります。6つのメーカーで12冊のカタログ、合計で約12,000柄から選べることになります。しかし、多くの会社ではすべてのカタログを常時展示することは難しく、現実的には2〜3冊のカタログを用意しておくのが一般的だと思います。また、実際にお客様とのクロス決めの際に用意するカタログは1冊か2冊程度。重たくかさばる、別の打合せでカタログがない、そもそもカタログが数冊しかない、沢山用意するとお客様に決めていただくのに時間がかかる、といった理由ではないでしょうか。

お客様とのクロス決め

私は小さいころからモノ作りが大好きでした。絵を描いたり工作をしたり、大人になった今でも大好きです。作る前に完成をイメージしたり考えたりすることも好きです。そしてそのモノ作りがお客様の住まいになったとき、そこに住まうお客様の希望、理想に合う住まいづくりの為、お客様とのお打ち合わせそのものが楽しくて大好き。中でもクロス決めは一番テンションが上がります。
クロスのカタログを開きお客様の要望を聞きながら、一緒になってお好きな色柄を探していきます。しかし、なかなか好みのクロスが見つかりません。お客様には限られたお打ち合わせ時間しかなく、別のカタログを手配し別日での打ち合わせはできません。クロス工事の日程も決まっており、いつまでもクロスを選んで良い訳ではありません。本当はもっとたくさんのカタログを見ていただきたいのに。そうすればきっと好みのクロスが見つかるのに。しかし、お客様は開かれた1~2冊のカタログからクロスを選ぶことになってしまいます。

リフォームだと数百万、マンションや戸建てだと数千万のお買い物。そんな大きなお金を払うにも関わらず、作り手側の理由でカタログの存在すら知らない。住まいづくりでは床材やドア、照明、キッチン、浴室、洗面化粧台、トイレなど色々な材料を予算や好みに応じて決めていきますが、壁紙に関しては金額がほぼ統一されている為、選ぶ自由度が高いのです。
おうちの中で一番大きな面積なのが天井と壁。この仕上げにはぜひともこだわり、お客様の好みに仕上げるお手伝いをしたいですよね。

白い無地の個性の無い住まい

私の記憶が正しければ、アクセントクロスの元々の始まりはTOTOのユニットバスのアクセントパネルではないかと思っています。20年位前、ユニットバスの壁の色柄を選ぶときに1面だけ他の色柄と異なるものを選べるオプションがありました。1面だけアクセントになるようにおしゃれ感を出し他と差別化を図るTOTOのアイデアだったのではないでしょうか。当然他のメーカーも追随します。その頃、都心の新築マンションではお部屋の壁1面だけ壁紙の色柄を変えるデザインがありました。こうして徐々にアクセントクロス(当時はこの名前もありませんでした)を取り入れるインテリアデザインが普及してきたのだと思います。

日本の多くの住まいは、白くて無地の天井と壁の住まいがほとんどでした。それは地方のアパートでも都心の高級な賃貸物件でも、分譲の戸建てでもマンションでもみんな同じ。その白い無地のクロスの大半が「量産クロス」仕上げ。何かおかしいと思いませんか?
家賃や購入価格は全然違うのに天井や壁の仕上げ材は同じ。海外のように自分の住まいをオリジナルの色や柄にリメイクする習慣のない日本の住まい。個性的な色柄を使うと落ち着かないのか、白い無地だと安心するのか、いつの間に個性の無いみんなと同じ住まいになってしまいました。

人生の半分を過ごす場所

寝ている時間も含めると人はかなり多くの時間を家で過ごしています。例えば夜8時に帰ってきて朝7時に家を出る場合、11時間を家で過ごしています。週末はもっと家にいる時間が長くなると考えると、1週間で85時間程度は家で過ごすことになります。1年間にすると、85時間×52週=4,420時間、これを24時間で割ると180日以上。これは1年間の約半分にあたります。言い換えると人生の半分は住まいで過ごしている。人生の半分を過ごす場所、それが「家」なのです。

アクセントクロス専門サイトの構想

5、6年前からホームページに「アクセントクロス」の掲載を始めました。お部屋の1壁から張替えできる手軽さで税込25,000円という低価格の商品。湘南エリアを中心に多くの反響をいただきましたが、利益はなく正直言うとマイナスの商品。その理由は私が動く人件費がものすごく掛かるということ。職人さんに支払う金額よりも私が動く費用が上回っていました。しかし、お客様の生活が変わり毎日が素敵になる楽しいお仕事なので、私も楽しく、いわば趣味的に続けておりました。

2020年、私はアクセントクロス専門のサイトを立ち上げようと知り合いのwebデザイナーに相談をしていました。そのサイトを見れば、手軽に気軽にアクセントクロスの魅力が伝わり、多くの皆様の住まいに取り入れていただけると考えました。そうすることで長い時間を過ごすお部屋が素敵になり、毎日の生活が楽しくなる。人生の多くをお気に入りの空間で過ごせることになる。これを皆さんに伝えなくては。と熱く思っていました。

現在、インターネットで「アクセントクロス」と検索をすると多くのサイトが閲覧できます。その多くは材料となるクロスそのものの販売です。DIYが普及しクロスの張替えをご自身でチャレンジする方も増えました。ネットで「のり付き」のクロスと施工キットを購入し、YouTubeで施工の仕方を勉強してチャレンジしているのだと思います。私も手づくりが大好きなので過去にチャレンジしたことがあります。しかしそれはそれは無残な出来栄えでした。そしてすぐに思いました。クロスの張替えはプロに頼もうと。
お客様も不安のある状態でチャレンジし、多くの方が納得のいく仕上げには届いていないのかなと思います。

1か所ですべてのカタログを見られる素晴らしさ

いくらECサイトで手軽にクロスが買えるようになっても、サンプルを手に取ることが出来ても、やはりお部屋の壁を張り替えるのには大きなハードルがあると思います。だからこそ、色柄選びで失敗しないことは大前提。カタログを手に取り指で素材感を確かめ、パソコンの画面上ではわからない色合いを確認したい。クロスメーカーのショールームではそれがかないます。例えば品川にあるサンゲツのショールームでは、たくさんのカタログと現物のクロスがパネルに貼ってありほぼすべての商品を手に取ってみることが出来ます。イメージが湧きやすく納得しながら壁紙選びが出来ます。ただし、当たり前なのですがそこでは国内6つのメーカーの中うちサンゲツの商品しか閲覧できません。

弊社でお客様とクロス決めをする事務所には、国内6つのメーカーのすべてのカタログを用意していました。それは1か所のショールームで1メーカーの商品だけを見るのではなく、一度に全ての商品を見ることが出来たらどんなにいいだろうとの思いからでした。そこで、アクセントクロス専門サイトとアクセントクロス専門のショールームを兼ねた実店舗があったら素晴らしいのではないかと考え始めました。

アクセントクロス専門店 ACSオープン

2020年夏頃から実店舗の構想を始めましたが、初めての事だらけで全てがチャレンジでした。店舗のエリア、大きさ、ホームページや広告、内装費や固定費の計算、販売スタッフはどんな経歴の方が良いのか、商品のサービス内容や価格の設定は…書ききれないほどの事を多くの方に相談し、少しずつ進めていきました。
やはり一番大切なのはアクセントクロスの魅力を多くの皆様に伝えること。人生で一番長く過ごす空間を素敵にするお手伝いをすること。部屋が変われば人生が変わるということ(大げさかもしれませんがそうとも言い切れないと思っています)を伝えること。

2021年4月茅ヶ崎市幸町に念願のお店をオープンしました。店舗では国内6メーカーのカタログを用意し、いつでも気軽に閲覧ができます。2階のラウンジには座ってゆっくりお選びいただけるテーブル席も用意し、アクセントクロスアドバイザーに直接ご相談も出来ます。ホームページでは店内の雰囲気が伝わるよう工夫し、専用アプリもご用意しました。アプリでは、お見積り、お支払い、クロス選び、サンプル請求、工事日程の調整、アドバイザーへの相談といった施工までに必要な全てが非接触・非対面でできるようになっており、コロナ禍で来店が心配な時期にもサービスをご利用いただけます。

プレゼントにもできるアクセントクロス

アクセントクロスをプレゼント?ちょっとイメージしにくいかもしれませんが、アクセントクロス専門店では可能です。結婚や出産、入園・入学、卒業のお祝いに、就職や定年退職、お誕生日など特別な記念日に、お引越しや新築祝いに。専用アプリを利用すれば遠方の家族や友人、知人へのプレゼントにもご利用できます。 人生の節目に、お部屋をアクセントクロスで模様替えし、新しい生活のスタートの一助になれば嬉しい限りです。

地元湘南での地域活動

ACSでは湘南の企業として、地元地域を元気にする取り組みを行っています。

  1. 売上金の一部で湘南エリアの児童福祉施設にアクセントクロスをプレゼント
  2. 地域のクリエイター様とコラボしたワークショップやマルシェ「クロッシーマルシェ」の主催、使わなくなったクロスのサンプルを再利用してアートパネルを作るといったサスティナブルな企画
  3. 地元の皆様にお店を身近に感じ気軽にご来店いただく為、コワーキングスペース・レンタルスペースのサービス
  4. ACSのアクセントクロスアドバイザーが地元建築関係の法人様のお役に立てるよう、打合せ代行サービスや打合せスペースのレンタルサービス

オンラインと実店舗の融合

アクセントクロス専門店ACSではECサイトや小売り形態のみでは出来ないサービスで、多くの皆様の人生を豊かにするお手伝いができると確信しております。これから、湘南エリアの皆様に限らず多くの方々にサービスを利用していただけるよう努力と進化を続けてまいります。

「おうち時間をもっとたのしく」
アクセントクロス専門店 ACS をよろしくお願いいたします。

ACS代表・山内真介プロフィール

株式会社SHINUPS 代表取締役。
子供の頃から物づくりが大好き。
高校卒業後、建築系の専門学校へ通い、20歳で建設会社に就職。
その後住宅販売会社、リフォーム会社に勤務し、平成23年にリフォーム会社として独立。
お客様の住まいへの想いをお聞きしながらお客様のこだわりをカタチにすべく、経験をフル活用して喜んでいただけるのが私の幸せです。

  • 二級建築士
  • 2級施工管理技士